2012/11/10

Vogue Paris 2012 11月号 イネズ&ヴィノードによる世代別ビューティー特集。

Vogue Parisの2012年11月号は、世代別ビューティースペシャル!フランス語はほぼ解読不能なのでビジュアルで楽しんだだけですが、各世代のビューティー代表をポートレートで定評のあるイネズ&ヴィノードが大変美しく撮影していました。


カバーは往年の隙っ歯トップモデルのローレン・ハットン(右)、スーパーモデル時代にスーパーだったステファニー・シーモア(中央)、現代のトップモデルであるダリア・ウェーボイ(左)の三人。なんとも野暮ったく見えているのは、人数もの企画とあれば80年代のお決まりである白シャツにジーパンの組み合わせ。しかもウェストの位置や色落ちが本気の80年代後半ライン!
カメラマンのイネズ&ヴィノードは、ダサさギリギリのテイストで現代を表現するのが上手な二人ですが、今回に限っては表情もそれぞれ勝手な動きをされ、何気に三人が噛み合ってない様子。とは言え、なかなかキャスティングすることが難しいメンバーなので、質素ですが地味にゴージャスという矛盾してて不思議なカバー。


そして68歳になるローレン・ハットンのスペシャル特集から始まり、その後は各世代のモデルさんをブッキング。



 50代〜60歳超えカテゴリーには堂々とローレン・ハットン(LaurenHutton)が君臨。80代モデルのカルメンなども現在は活躍していますが、60年代後半から活躍し、74年にはレブロンと100万ドルの契約をするという快挙を成し遂げた彼女が選ばれていました。背もそこまで高くないし、モデルにしては隙っ歯で仕事をこなし人気だったことを考えると、現代のケイト・モスのような存在だったのかもしれません。実際何十回と飾ったヴォーグのカバーなどを見ると、他のモデルよりも生き生きとしてフレッシュ。どんなメイクをしてもローレン・ハットンとわかるコケティッシュな美も、親近感が感じられ人気に火がついたよう。
かぱっと笑うのが彼女のお決まりルックですが、リチャード・アヴェドンが撮影した若かりし頃のローレン(写真上)、時代が今であっても通用する美しさです。





40代の代表としては二人挙げられていますが、まずは破壊的ポージングがいつまでも様になっているステファニー・シーモア(Stephanie Seymour)。現在44歳の彼女は、すでに20歳超えの息子を持つ二男一女のお母さんとは思えない美しさと迫力にガクブル状態。イネズ&ヴィノードの写真ではいつも相性のよい動きを見せるステファニーですが、ロック魂を難なく表現できちゃうマインドが素晴らしい。 あのシンディ・クロフォードに、『私たちとは次元の違う美しさ』と当時言わしめた美貌が現在も生き残っているのは、日々のメンテナンスと表現力の豊かさでしょうか。泣きつく子猫ちゃんみたいな垂れ目が、いつ崩れるのか?と昔から心配でしたが、キープできているのはさすがです。ちなみに脂肪吸引は日常茶飯事なのを本人はカミングアウト済み。


40代でもう一人挙げられていたのが、モデル活動はご無沙汰だったタチアナ・パティッツ(Tatjana Patitz)、46歳。 ドイツ人の彼女はカメラマンのピーター・リンドバーグやハーブ・リッツに気に入られて、80年代後半から90年代初期にクールなイメージで大活躍。スーパーモデルブーム後にあっさりと引退し、その後はたまーにみかけるくらいでしたが、息子と牧場で二人暮らししているのを先日のUSヴォーグ8月号で特集組まれていました。隠居生活をしててもフェイスライン、ボディーラインが崩れていないのが奇跡で、2011年は海外版資生堂と契約してました。


2000年以降、トップ街道まっしぐらのダリア・ ウェーボイ(Daria Werbowy)は、ランウェイではほとんど見かけなくなったけど、ランコムの広告やファッションストーリーでは美しさを惜しみなく振りまいています。ただのクラシックビューティーな人ではなく、微妙に見え隠れするヒラメ顔が、パーフェクトになり過ぎてない顔立ちで良く、現代の求めている美しさを表現しているよう。ボディも線が細いのにみじんも貧乏臭さはなく、出るところはしっかり出て細身のグラマラスという新しいカテゴリー。彼女もイネズ&ヴィノードの写真ではかなりの登場回数ですが、ボブに切ったヘアスタイルは新鮮で、いつもとは違った魅力を出していました。もうすぐ29歳なのに、30代のカテゴリーに仕分けされているのは何故なんでしょう???



最後は20代代表のロウロウ(Loulou)ちゃんは、あどけなさが残る19歳のフランス人。まだキャリアが浅いですが、イネズに猛烈に気に入られているようで、何故?というくらいよく撮られています。何故か彼女も20代代表に。あまり洗練され過ぎてない、アンニュイな表情を出すロウロウちゃんは、ルイ・ヴィトンのショーにもキャスティングされていたようで、これからの活躍が楽しみな新人モデルの一人です。



リアル50代、リアル30代がキャスティングされていなかったのが不思議ですが、モノクロームの写真が素敵過ぎてみててため息が出ました。特にステファニー・シーモアのアゴ上げ&股開き、ダリア・ウェーボイの目もとに不意に落ちる前髪にやられました。

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